初仕事

本年の初仕事は、長唄の会です。

 

沢山の演目のうち、その中の2番ある日本舞踊のお化粧を頼まれました。

 

国立劇場は、久しぶりです。

 

国立劇場へは、いつも車で行って駐車場に停めますが、いきなりビックリしました。

 

以前は、立体駐車場になっていたのですが、建物がありません。

係員に伺ったところ、近々、大地震が予想されるので、東日本大震災を契機に取り壊したのだそうです。

 

え、そんなに切迫しているの?

 

新年早々、脅かさないでよ!

 

よくよく聞くと、耐震性に問題があったから、取り壊したのだそうです。

そういえば、今まで数えきれないほど、国立劇場で仕事したけど、ここで写真って撮ったことないよな。

 

別に、珍しくなかったし、ブログもやってなかったしなー。

 

今日は、いい機会だし、暇だから写しちゃおーっと。

 

ああ、そうしましょ、そうしましょ、そうしまよったら、そうしましょ!(また使っちゃった)

 

てなわけで、パチリパチリです。

楽屋口です。

入ると、下足番のおじさんがいて、左に小劇場の下駄箱、右に大劇場の下駄箱があります。

大劇場は、歌舞伎をやっていました。

役者さんたちは、公演が終われば、楽屋用の履物を残して帰ります。

 

公演中の下駄箱と終演後の下駄箱の対比は、面白いでしょ。

玄関正面には、神棚があります。

この神棚の右側が大劇場で、左側が小劇場です。

神棚の後ろは、劇場事務所です。

 

小劇場の楽屋は、廊下を挟んで左側が出演者の部屋で、右側は、床山部屋や舞台への通路や、トイレやお風呂があります。

日本舞踊の会の時は、顔師、鬘屋、衣裳屋が、別々の部屋に入りますが、今日は、長唄の会で踊り手は2人だけなので、床山部屋に集結です。

 

かえって便利でした。

初仕事のお化粧は、長唄の「蓬莱」といって、遊女を蓬莱山の仙女に見立てるという初春らしい華やかで品のあるご祝儀物の舞踊です。

 

鬘は、高島田で、衣裳も白を基調とした綺麗なこしらえです。

 

お化粧も、そんなイメージでやりましたが、伝わっていますでしょうか?

次の番組まで時間が空いているので、楽屋内をフラフラします。

あっちフラフラ、こっちフラフラ。

 

こういうのを廊下トンビといいます。

 

楽屋の一角には、食堂があります。

 

ここのラーメンは、美味しいんだよなー。

今日は、お弁当を食べたので、残念ですが、ラーメンはパスしました。

 

昔は、食堂の隣にトコヤさんもあったけど、今は、ありません。

 

で、今日頂いたお弁当が、これです。

 

私は、初めて頂きましたが、鬘屋さんの言うことにゃ、牛肉とゴボウを濃いめの味で煮てあり、小ぶりな弁当なので、持ち歩きに便利で、結構、おさらい会で頂くとのこと。

あー、知らなかった。

 

あんた、結構、良い会に行ってるのね。

 

というわけで、美味しく頂きました。

 

次の踊りは、長唄「たぬき」という曲です。

 

ぶんぶく茶釜のタヌキやかちかち山のタヌキや曲芸をするタヌキなどを踊りで表現するもので、見ていても楽しい曲です。

 

素踊りで踊りますので、鬘は前割れ、衣裳はタヌキを表す茶色です。

 

帯には、狸という字を染め抜いています。

 

この扮装に白塗りは合いませんので、地色をとのこ入りの白粉(肌色)で塗ります。

 

眉毛も、少し上げ目にして、きりりとした顔に仕上げます。

 

口も、やや大きめです。

先ほどの、蓬莱とのお化粧の違いが、お分かりでしょうか?

 

え、わかんない?

 

どーして、どーして分かってくれないの!

 

それじゃあ、うちのカアチャンとおんなじだ!

 

あー、これがおいらの技術の限界か!

 

もーいや、もーいや、こんな生活!

 

残念だ!!

 

といいつつも、結構自己満足のうちに、初仕事を終えました。

 

(顔師の仕事って、自己満足なしには、やっていられない仕事なのです。)

 

とりあえず、めでたし、めでたし。

 

 

おしまい